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時を超え、花の下に集う人々:国宝「花下遊楽図屏風」が誘う桃山・江戸初期の華やぎと精神性
本稿では、約400年前の桃山時代末期から江戸時代初期に描かれた国宝「花下遊楽図屏風」を紐解き、当時の花見の情景を鮮やかに伝えるだけでなく、その時代の人々の精神性や文化の真髄を垣間見せてくれる貴重な作品としての価値を探ります。
3月1日


いにしえの調べ:定家十体と和歌の美
定家の業績は、和歌という枠組みを超えて、日本の美意識や文化を理解する上でも重要な意味を持ちます 。定家は、和歌を通して、自然と人間の関わり、感情の機微、そして言葉の美しさを表現しました。彼の作品は、現代においても、私たちに深い感動と共感を呼び起こします。
2月24日


木霊する緑:杉が奏でる日本の魂
杉(Cryptomeriajaponica)は、ヒノキ科スギ属に属する日本固有の常緑針葉樹です。青森県から屋久島にかけての暖温帯・冷温帯に分布し、湿潤で有機質に富む土壌を好みます。樹高は50mに達することもあり、長寿で、樹齢1000年を超える屋久杉のような巨木も存在します。
2月24日


墨に五彩あり:水墨画の梅
水墨画で描かれた黒と白のモノトーンの世界は、日本人の心に深く根付く「わび・さび」などの渋さや質素さを好む文化と相性が良く、 茶道や華道にも通じる、静寂や落ち着きを感じさせる要素を持っています。
2月22日


山吹:黄金色の花が彩る日本の春
山吹(Kerria japonica)は、バラ科ヤマブキ属の落葉低木です。日本や中国が原産地です。 北海道から九州まで、日本各地の山野に自生しており、樹高は1~2m程度です。 細くしなやかな枝が弓なりに垂れ下がるのが特徴です。
2月22日


春の妖精片栗(カタクリ):その神秘に迫る
早春のうららかな陽光を浴びて、林床に可憐な紫の花を咲かせる片栗。その姿はまさに「春の妖精」と呼ぶにふさわしく、古くから人々の心を魅了してきました。かつては里山に広く自生し、人々の生活にも深く関わっていた片栗ですが、近年ではその姿を見る機会も少なくなってきています。
2月22日


緑蔭の彫刻家:朝倉文夫と植物たちの対話
日本近代彫刻の巨匠・朝倉文夫(1883-1964)は、写実的な人体表現で知られる一方、「東洋のロダン」 とも呼ばれ、自然への深い洞察に基づいた作品を数多く残しました。朝倉文夫の芸術を語る上で、植物との関係性は欠かせない要素です。
2月21日


飛梅伝説に秘められた心:菅原道真と日本文化の深淵
菅原道真公(845-903年)は、平安時代前期に活躍した学者、詩人、そして政治家です。幼い頃から学問に秀でた才能を発揮し、若くして文章博士に任命されました。その後、宇多天皇の信任を得て政治の中枢を担い、遣唐使の停止を提言するなど、日本の文化の独自性を育む礎を築きました。
2月20日


本居宣長と桜:日本文化の深淵に咲く「もののあはれ」の心
本居宣長(享保15年/1730~享和元年/1801)は、江戸時代中期に伊勢国松坂(現在の三重県松阪市)に生まれた、日本を代表する国学者であり、歌人、そして医師でもありました。宣長の学問的探求は、日本固有の古典に深く根差し、外来思想に染まる前の日本人の心のあり方を明らかにしようとするものでした。その思想の中核をなすのが、日本独自の美意識である「もののあはれ」です。
2月18日


厳冬に息づく希望の芽:内村鑑三「寒中の木の芽」に学ぶ日本の精神性
内村鑑三の「寒中の木の芽」は、わずか四節からなる短い詩ながら、その中に生命の循環と尽きることのない希望のメッセージを凝縮しています。詩は、四季の移ろいを植物の姿に重ね合わせ、特に冬の厳しさの中にこそ宿る「慰め」と「希望」を描き出します。
2月17日


湯島天満宮:学問の神様と梅香る聖地
明治維新後も、湯島天満宮は学問の神様として、そして地域の信仰の拠り所として、多くの人々に親しまれてきました。 近年では、平成7年(1995年)に総檜造りの社殿が再建され、 その荘厳な佇まいで参拝客を魅了しています。
2月17日


赤松の文化的叙事詩:悠久の時を刻む生命の樹
赤松は、日本の風土に深く根を下ろし、悠久の時を超えて、日本人の魂と文化を育んできた生命の樹です。太陽の光を浴びて赤褐色に輝く幹は、大地の鼓動を伝え、風にそよぐ線形の緑葉は、生命の賛歌を奏でます。特徴的な樹皮は鱗状に剥がれ、老木になるほどその模様は深く、味わいを増します。
2月16日


常緑の御神木:招霊木の神秘
招霊木(オガタマノキ)は、モクレン科モクレン属に属し、日本に自生するモクレン科植物の中では、唯一の常緑樹です。常緑高木です。学名はMagnolia compressaで、かつてはオガタマノキ属(Michelia)に分類され、Michelia compressaという学名でした。
2月16日


白と紫の旋律:モクレン属の協奏
白磁の肌を持つ白木蓮(ハクモクレン)、深紫のドレスを纏う木蓮(シモクレン)、そして固く結ばれた拳のような蕾を持つ辛夷(コブシ)は、互いによく似た姿でありながら、それぞれに異なる物語を秘め、古来より芸術家や文学者たちの心を捉えてきました。
2月16日


菜の花 - 日本の春を彩る花
菜の花は、5世紀後半頃に日本に伝来したと推測されています。菜の花は本来、葉物野菜として利用されていました。その歴史は古く、『古事記』では「吉備の菘菜(あおな)」として、『万葉集』では「佐野の茎立(くくたち)」として登場します。また、花芽についても『延喜式』にその記述が見られます。
2月11日


神代植物公園:都内唯一の植物公園
神代植物公園は、東京都調布市にある都内唯一の植物公園です。 その歴史は古く、1961年の開園以前、この地は江戸時代には幕府の御鷹場、明治時代には陸軍の演習地として利用されていました。戦後、東京都が緑地保全と植物研究を目的としてこの土地を取得し、神代植物公園として開園しました。
2月11日


春の使者、鶯神楽(ウグイスカグラ)
鶯神楽が記録された最古の文献は、平安時代初期(10世紀頃)に編纂された『倭名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』です。この文献では、鶯神楽の実を「アウ実(鸎実)」として記載しており、「ウグヒスノキノミ」とも呼ばれていたことが確認されています。
2月10日


悠久の生命を宿す金屏風:鈴木松年筆 老松図屏風が語る日本の心
メトロポリタン美術館に所蔵される「鈴木松年筆 老松図屏風」(英語タイトル: Aged Pines)は、日本の伝統的な美意識と壮大な表現力が融合した傑作です。この作品は、日本美術が国際的に高く評価されている証しであり、その存在自体が日本の豊かな文化遺産を世界に紹介する役割を果たしています。
2月9日


酒井抱一筆「流水四季草花図屏風」について
酒井抱一筆「流水四季草花図屏風」は、江戸時代後期の絵師、酒井抱一によって描かれた屏風絵です。繊細な筆致で四季折々の草花と流水が描かれており、抱一の特徴である琳派の装飾性と写実性が融合した、優美で華やかな作品です。
2月9日


岡村尚謙「桂園橘譜」の世界:江戸の柑橘
『桂園橘譜』は、江戸時代後期の嘉永元年(1848)に成立した、柑橘類を主題とした貴重な植物図譜です。本書が日本の植物学史において特筆すべき存在とされる最大の理由は、当時まだ一般には広く普及していなかった温州みかん(温州橘)に関する「詳細かつ正確な写生図」を伴う、最初の文献であるという点にあります。
2月9日


五葉松:悠久の緑、風雅を語る
五葉松は、日本では古くから神聖な木として崇められてきました。 その常緑性から、長寿や繁栄の象徴とされ、神社仏閣や庭園によく植えられています 。 また、幸運と繁栄をもたらす縁起の良い木としても知られています。
2月8日


沈丁花:春の到来を告げる芳香
沈丁花は、室町時代以前に中国から日本に渡来したと言われています。日本にやってきた当初は、薬用として利用されていたという記録も残っています。その後、その芳香と美しい花姿が人々の心を惹きつけ、茶花や香道、庭木として広く親しまれるようになりました。
2月8日


葛飾北斎の花鳥画24点
北斎は、風景画、美人画、役者絵、花鳥画など、様々なジャンルの作品を手がけ、特に風景画の分野で大きな功績を残しました。代表作である「富嶽三十六景」は、国内外で高く評価され、ゴッホやモネなど、西洋の印象派の画家たちにも大きな影響を与えました。
2月4日


長楽花譜:江戸時代の雪割草図鑑の魅力
雪割草は、早春に雪の間から顔を出す可憐な花として、古くから日本人に愛されてきました。その小さな花弁が織りなす多様な色合いや、葉の形、花の咲き方の違いなど、細やかな変異が愛好家の心を捉え、江戸時代には盛んに品種改良が行われました。
2月4日
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