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三代歌川豊国と初代歌川広重による合作の役者絵:当盛六花撰

  • 執筆者の写真:  JBC
    JBC
  • 2024年4月28日
  • 読了時間: 16分

更新日:3 日前



日本の文化に深く根差す「花」の存在は、単なる自然の美しさにとどまらず、人々の暮らし、芸術、そして精神性と密接に結びついてきました。特に江戸時代、庶民文化が花開く中で、浮世絵という形でその美意識は頂点を極めます。今回ご紹介するのは、江戸後期を代表する二大浮世絵師、三代歌川豊国と初代歌川広重が奇跡的な共演を果たした傑作「当盛六花撰(とうせいろっかせん)」です。この作品は、当時の熱狂的な園芸文化と歌舞伎人気を背景に生まれ、花と役者という異なる世界の華やかさを融合させた、まさに「江戸の粋」が凝縮された一枚と言えるでしょう。この図譜がどのようにして生まれ、どのような文化的意義を秘めているのか、その深淵を紐解いていきます。



1. 「当盛六花撰」とは:浮世絵に咲く江戸の粋


「当盛六花撰」は、安政元年(1854)に版元・錦昇堂から出版された、全六図からなる浮世絵のシリーズです。この作品の最大の特徴は、歌舞伎役者の姿を専門とする三代歌川豊国が人物を描き、風景画の大家である初代歌川広重が背景の花々を描くという、二人の巨匠による「合作」である点にあります。各図には、初夏から秋にかけて咲く季節の花々が大きく描かれ、その前景には、その花にちなんだ、あるいはその花が持つイメージと調和する歌舞伎役者が配されています。   


本シリーズは、当時の人気役者絵と、庶民の間で隆盛を極めていた花卉・園芸文化の要素を巧みに融合させています。これは、江戸時代の娯楽と生活文化が浮世絵という形で密接に結びついていたことを明確に示しています。作品のタイトルである「六花撰」という名称は、平安時代の和歌の名人「六歌仙」になぞらえられており、当時の人々が楽しんだ「見立て」という知的遊びの要素が込められています。この「見立て」は、単なる表面的な美しさにとどまらず、鑑賞者に古典文学や歌舞伎の知識、そして役者への深い理解を求める、多層的な知的エンターテイメントでした。異なるジャンル、例えば古典文学と現代の歌舞伎、あるいは自然と人間を結びつけることで、鑑賞者に発見の喜びと解釈の余地を与え、江戸庶民が単に娯楽を享受するだけでなく、文化的な素養を持ち、作品の裏に隠された意味を読み解くことを楽しんだ、当時の文化レベルの高さがうかがえます。この知的遊び心が、浮世絵の深い魅力の一部であり、単なる絵画を超えたコミュニケーションツールとしての役割を担っていたと言えるでしょう。   


広重による花々の描写は、その繊細な花弁や背景のぼかしの技法に、彼の新たな一面が見て取れます。これは、彼が風景画だけでなく、花鳥画にも優れた資質を持っていたことを示唆しています。役者たちは夏の夕涼み姿で描かれ、背景の花々と調和し、独特の趣向とデザインを生み出しています。これは、単なる人物と背景の組み合わせではなく、両者が一体となって季節感や情景を表現する高度な構図の表れです。   


作品に描かれた花と役者の組み合わせは以下の通りです。

花の種類

花形役者

中級役者

作品に描かれた特徴や関連する逸話

秋海棠

坂東しうか

中山市蔵

坂東しうかの替紋「花勝見」にちなみ、徳利に「銘酒 花かつみ」と書かれている 。   

菖蒲

三代目岩井粂三郎

三代目嵐音八

岩井家の紋である三扇紋が題字のデザインに使用。「菖蒲」は岩井粂三郎の俳名「杜若」を意味する 。   

紫陽花

坂東竹三郎

中村鶴蔵

梅雨の時期を彩る花の華やかさが役者の個性と調和している 。   

牽牛花(朝顔)

八代目市川団十郎

四代目浅尾奥山

市川団十郎が扇子に揮毫しようとしている姿が描かれている 。   

百合

中村福助

中村翫太郎

芳醇な香りと気品あふれる姿から、役者の華やかさと相まって作品に深みを与えている 。   

芙蓉

二代目片岡我童

二代目大谷徳次

片岡我童が手紙を読んでいる姿が描かれ、芙蓉の華やかさと儚さが役者の情景と重なる 。   



2. 浮世絵師たちの時代と背景:豊国と広重、二大巨匠の共演


「当盛六花撰」は、江戸時代後期、浮世絵文化が爛熟期を迎える中で生まれました。この時代は、庶民文化が最も活発に花開いた時期であり、歌舞伎や園芸といった娯楽が人々の生活に深く根差していました。そのような背景の中、それぞれの分野で頂点を極めた二人の絵師が手を組むことになります。   



2.1. 三代歌川豊国:役者絵の頂を極めた絵師


三代歌川豊国、本名歌川国貞(うたがわくにさだ、寛政元年/1789年 - 文久4年/1864年)は、江戸後期を代表する浮世絵師の一人です。十代半ばで歌川派の総帥である初代歌川豊国に入門し、その才能を早くから開花させました 。国貞は特に役者絵と美人画において絶大な人気を誇り、生涯に1万点を超える膨大な数の作品を制作しました。これは、当時の浮世絵市場における国貞の圧倒的な生産性と需要を示しています。   


国貞の役者絵は、役者の似顔(にがお)を確立し、その粋で華やかな模様や色彩、そして面長猪首型の美人画で名を高めました。これにより、観客は舞台の感動を自宅でも追体験できるようになりました。嘉永6年(1853)の文献には「豊国にかほ(似顔)」と評されており、役者の肖像表現における彼の卓越した地位が示されています。これは、彼が単なる絵師ではなく、当時のスター役者の「顔」を創り出す存在であったことを意味します。天保15年(1844)には師の名である「豊国」を三代として襲名し、歌川派の隆盛を牽引しました。   



2.2. 初代歌川広重:風景画に詩情を吹き込んだ絵師


初代歌川広重(うたがわひろしげ、寛政9年/1797年 - 安政5年/1858年)は、叙情的な風景画で世界的に名を馳せた浮世絵師です。彼は歌川豊広の門下に入り、初期には美人画や役者絵も手掛けましたが、葛飾北斎の風景画に刺激を受け、その才能を風景画の分野で開花させました。   


広重の代表作には、江戸から京都までの宿場町を描いた『東海道五拾三次』(天保4年頃/1833年頃発表)や、江戸の名所を描いた『名所江戸百景』などがあり、その詩的な風景描写と独特の色彩技法で多くの人々を魅了しました。これらの作品は、当時の旅行ブームと相まって、庶民の好奇心を刺激しました。広重の作品は単なる風景描写にとどまらず、当時の風情や人々の生活感を繊細に描き出し、江戸の文化や社会を映し出す鏡のような役割を果たしました。風景画の他にも、花鳥画にも優れた資質を見せており、その描写力は「当盛六花撰」の花々にも遺憾なく発揮されています。これは、彼の多才さと、自然描写における深い洞察力を示しています。彼の抒情的で親しみやすい画風は、ゴッホをはじめとするヨーロッパの画家たちにも大きな影響を与えました。これは、浮世絵が国際的な芸術運動に与えた影響の証左です。   



2.3. 合作「当盛六花撰」の誕生:江戸文化が生んだ奇跡


「当盛六花撰」は、安政元年(1854)に版元・錦昇堂から出版されました。この合作は、当時の浮世絵界における出版事情と、絵師たちの専門性の高さを象徴するものです。   


江戸時代の浮世絵は、版元(出版社)が企画し、絵師、彫師、摺師が分業して制作する商業出版物でした。このシステムにより、浮世絵は大量生産され、安価で庶民に広く普及しました。これは、浮世絵が大衆メディアとして機能していたことを示しています。絵師同士の合作は珍しいことではなく、特に異なる専門分野を持つ絵師が組むことで、作品の魅力を最大限に引き出すことができました。これは、現代のエンターテイメント業界における「コラボレーション」戦略の先駆けとも言えるでしょう。   


当時の評価として「豊国にかほ、国芳むしや、広重めいしよ」とあるように 、各絵師が特定のジャンルで圧倒的な地位を確立していました。豊国は役者絵と美人画の大家であり 、広重は風景画と花鳥画の名手でした。このような背景から、「当盛六花撰」や『双筆五十三次』といった合作において、豊国が人物、広重が背景という明確な役割分担があったことが理解できます。これは単なる偶然の合作ではなく、当時の浮世絵市場における高度な分業体制と市場戦略の表れでした。版元である錦昇堂は、それぞれの分野で最も人気と実力のある絵師を組み合わせることで、作品の商業的価値を最大化しようとしたと推測できます。これにより、役者絵のファンと風景・花鳥画のファンの両方をターゲットにし、より広範な購買層にアピールすることが可能になりました。これは、現代のエンターテイメント業界における「コラボレーション」や「クロスオーバー」戦略の先駆けとも言える現象であり、江戸時代の出版文化の成熟度を示すものです。   


また、浮世絵は単なる古典芸術ではなく、当時の人々にとっての「現代アート」であり、「メディア」であったという本質が見えてきます。それは、今日のテレビ、雑誌、インターネットが提供するような、最新の流行、人気者、話題の場所、そして季節の移ろいを視覚的に伝える役割を担っていました。特に「当盛六花撰」は、当時の二大人気ジャンル(歌舞伎と園芸)を組み合わせることで、まさに「今」の江戸の文化を凝縮して表現しており、現代のポップカルチャーに通じる即時性と大衆性を持っていたと言えるでしょう。   



3. 「当盛六花撰」が語る江戸の文化と哲学:花と役者、そして庶民の心


「当盛六花撰」は、単なる美しい絵画の集合体ではありません。そこには、江戸時代の人々が育んだ独特の美意識、生活哲学、そして社会の息吹が深く刻み込まれています。花と歌舞伎役者という二つの要素が織りなす世界は、当時の庶民の心象風景を鮮やかに映し出しています。



3.1. 江戸の園芸熱と花卉文化:身近な美への愛着


江戸時代は、庶民の間で空前の園芸ブームが巻き起こった時代でした。特に中期以降、植木鉢の普及により、庭を持たない長屋住まいの人々でも手軽に草花を楽しむことができるようになりました。花見は人々の生活に根付き、花の名所のガイドブックまで出版されるほどでした。これは、花が単なる自然物ではなく、人々の生活に密着した文化的なイベントとして定着していたことを示しています。   


菊、朝顔、椿、桜など、四季折々の花々が愛され、品種改良も盛んに行われました。歌川国芳の「百種接分菊」や歌川豊国の「菊の細工物」など、浮世絵に描かれた園芸の様子が紹介されており、当時の熱狂ぶりが伺えます。浮世絵が、こうした流行を記録し、さらに広める役割も担っていたことがわかります。花は単なる鑑賞の対象ではなく、生活の中に溶け込み、季節の移ろいや風情を身近に感じるための重要な要素でした。技術革新である植木鉢の普及が、園芸の一般化という生活様式を変え、それが浮世絵の題材という文化・芸術に直接的な影響を与えたという明確な因果関係がここには存在します。つまり、園芸は単なる趣味ではなく、浮世絵という大衆メディアの重要なコンテンツ源となり、花卉文化と浮世絵が相互に影響し合いながら発展したことを示唆しています。この相互作用が、「当盛六花撰」のような、花を主役の一つとする作品が生まれた土壌となったのです。   



3.2. 歌舞伎と役者絵:庶民娯楽の華


歌舞伎は、江戸時代に大成し、庶民にとって最も熱狂的な娯楽の一つでした。歌舞伎役者は現代のアイドルやスターのような存在であり、その人気は社会現象を巻き起こしました。歌舞伎の人気と相まって、役者絵も浮世絵の二大人気ジャンルの一つとして大ヒットしました。これは、当時の大衆がスターの姿を視覚的に楽しむことを強く求めていたことを示します。   


役者絵は、役者の舞台姿や日常の一コマを捉え、その魅力を余すところなく伝えました。特に、勝川春章が確立した「似顔絵」の技法は、役者個人の特徴を捉えることで、ファン層をさらに拡大させました。これにより、役者絵は単なる記録ではなく、ファンアイテムとしての価値を持つようになりました。三代歌川豊国は、その役者絵の分野で「似顔」の大家として知られ、彼の描く役者たちは当時の観客の心を捉えて離しませんでした。役者の個性を際立たせ、その魅力を最大限に引き出すことに成功しました。役者絵は、現代の芸能雑誌やポスター、SNSの役割を果たしていたと解釈できます。それは単なる肖像画ではなく、ファンが憧れの役者の姿を身近に感じ、舞台の感動を追体験するためのメディアでした。役者の人気が役者絵の売上を伸ばし、役者絵が役者の人気をさらに高めるという、現代のエンターテイメント産業に見られるような相乗効果が当時から存在していたことを示唆しています。「当盛六花撰」は、この人気役者という「コンテンツ」を最大限に活用した作品と言えるでしょう。   



3.3. 「六花撰」に込められた美意識と精神性:見立てと風流の心


「当盛六花撰」は、単に花と役者を組み合わせただけでなく、江戸時代の人々が育んだ独特の美意識と精神性を深く映し出しています。

前述の通り、「六花撰」が「六歌仙」になぞらえられていることは、当時の教養ある庶民が楽しんだ「見立て」という文化的な遊びです。これは、古典的な題材を現代的な文脈(歌舞伎役者)に置き換えることで、伝統と革新を融合させる江戸特有の美学を示しています。この「見立て」は、鑑賞者に作品の背景にある知識や物語を読み解くことを促し、単なる視覚的な楽しみを超えた、知的な満足感を提供しました。これは、当時の庶民が持つ文化的な素養の高さを示唆しています。   


日本文化において、花は古くから単なる植物以上の意味を持ってきました。例えば、菖蒲が「邪気を払う力」を持つとされたり、牽牛花が「はかなさと美しさ」を象徴したり、百合が「気品」を表したりと、それぞれの花には象徴的な意味や物語が込められています。   


「当盛六花撰」では、これらの花が役者の個性や演じる役柄と巧妙に結びつけられ、作品全体に深みと奥行きを与えています。花は背景としてだけでなく、役者の内面や、その役者が持つ「気」を表現する重要な要素として機能しているのです。これは、花鳥画の伝統が役者絵と融合することで、より複雑で象徴的な意味合いを持つようになったことを示唆しています。花は、役者の美しさや存在感を際立たせるだけでなく、作品に深遠な精神性や物語性を付与する、不可欠な「共演者」としての地位を得ていると言えるでしょう。

江戸の庶民は、日々の生活の中に「風流」を見出すことを得意としました。植木鉢で花を愛でる行為も、歌舞伎の舞台に熱狂するのも、その根底には日常の中に美や感動を見つけ出す感性がありました。   


「当盛六花撰」は、この「日常の美」を浮世絵という形で昇華させたものです。人気役者の華やかさと、身近な花々の繊細な美しさを組み合わせることで、当時の人々が最も愛した二つの「粋」な要素を一枚の絵の中に凝縮し、その魅力を再認識させる役割を果たしました。この作品は、当時の庶民が単なる大衆ではなく、古典文学や歌舞伎、そして自然に対する深い知識と感性を持っていたことを証明しています。作品に込められた多層的な意味合いや「見立て」の遊びは、鑑賞者がそれを理解し、楽しむだけの教養と知的な好奇心を持っていたからこそ成立しました。これは、現代の「大衆文化」という言葉が持つイメージとは異なり、江戸時代の庶民文化が非常に豊かで、知的かつ感性豊かなものであったという、より深い理解を促すものです。彼らは、ただ消費するだけでなく、文化を創造し、享受する主体であったことが窺えます。



結び


「当盛六花撰」は、三代歌川豊国と初代歌川広重という二人の巨匠が、それぞれの専門分野の粋を集めて生み出した、まさに江戸文化の結晶です。この作品は、当時の庶民が熱狂した歌舞伎と、生活に深く根差した園芸文化が、いかに密接に結びついていたかを雄弁に物語っています。そして、「六歌仙」になぞらえた「見立て」の美学は、単なる視覚的な美しさを超え、鑑賞者に知的な喜びと、花々に込められた深い精神性を感じさせます。

「当盛六花撰」を通して見えてくるのは、平和な時代に育まれた江戸の人々の豊かな感性と、日々の暮らしの中に美を見出し、それを芸術として昇華させる「粋」の精神です。この一枚の浮世絵は、時を超えて私たちに、日本の花卉文化が持つ奥深さ、そして伝統が現代に息づく魅力を伝え続けています。ぜひこの機会に、「当盛六花撰」が織りなす花と役者の世界に触れ、日本文化の新たな発見を体験してください。




※ 「当盛六花撰」における花の表現


「当盛六花撰」は、嘉永5年(1852)頃に、江戸の版元「錦昇堂」から出版された大判錦絵の揃物です。 錦昇堂は、恵比寿屋庄七(生没年不詳)という人物が経営しており、「ゑひすや」とも呼ばれていました。


このシリーズでは、当時人気の歌舞伎役者が、それぞれ異なる花と組み合わされて描かれています。風景画を得意とした広重が、花々をクローズアップで描くという斬新な表現を用いている点が特徴です。花弁の繊細な描写や、背景のぼかしの技法など、広重の新たな一面を見ることができます。   


これらの花は、初夏から秋にかけて咲く季節の花々を選んでおり、それぞれの季節感を表現しています。また、各図の背景に大きく描かれた花は、前景に描かれた役者たちの夏の夕涼み姿と調和し、独特の趣向とデザインを生み出しています。




秋海棠


「当盛六花撰 秋海棠」では、可憐な秋海棠の花が、役者を引き立てています。 秋海棠は、その控えめな美しさから、日本では古くから観賞用として親しまれてきました。   

  • 花形役者: 坂東しうか

  • 中級役者: 中山市蔵

  • 特徴: 坂東しうかの替紋「花勝見」にちなんで、徳利に「銘酒 花かつみ」と書かれています。


当盛六花撰 秋海棠
広重,豊国『当盛六花撰 秋海棠』,錦昇堂,安政1. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1311166


菖蒲


「当盛六花撰 菖蒲」では、水辺に咲く菖蒲が涼しげな雰囲気を演出しています。菖蒲は、古くから邪気を払う力があるとされ、端午の節句に飾られるなど、日本の文化に深く根付いています。この作品では、菖蒲の凛とした姿が、役者の力強さを強調しています。

  • 花形役者: 三代目岩井粂三郎

  • 中級役者: 三代目嵐音八

  • 特徴: 岩井家の紋である三扇紋を題字のデザインに使用。「菖蒲」は岩井粂三郎の俳名「杜若」を意味します。


当盛六花撰 菖蒲
広重,豊国『当盛六花撰 菖蒲』,錦昇堂,安政1. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1311164


紫陽花


「当盛六花撰 紫陽花」では、鮮やかな紫陽花が、役者の傍らに咲いています。 紫陽花は、梅雨の時期を彩る花として、日本人に愛されてきました。 この作品では、紫陽花の華やかさが、役者の個性と見事に調和しています。   

  • 花形役者: 坂東竹三郎

  • 中級役者: 中村鶴蔵


当盛六花撰 紫陽花
広重,豊国『当盛六花撰 紫陽花』,ゑひすや,安政1. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1311165


牽牛花


「当盛六花撰 牽牛花」では、朝顔とも呼ばれる牽牛花が、役者を包み込むように描かれています。 牽牛花は、夏の朝に咲く花として、そのはかなさと美しさで、人々を魅了してきました。   

  • 花形役者: 八代目市川団十郎

  • 中級役者: 四代目浅尾奥山

  • 特徴: 市川団十郎が扇子に揮毫しようとしている姿が描かれています。


当盛六花撰 牽牛花
広重,豊国『当盛六花撰 牽牛花』,ゑひすや,安政1. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1311169 


百合


「当盛六花撰 百合」では、大輪の百合の花が、役者を引き立てています。 百合は、その芳醇な香りと気品あふれる姿から、日本では古くから観賞用として、また宗教的な儀式にも用いられてきました。

  • 花形役者: 中村福助

  • 中級役者: 中村翫太郎


当盛六花撰 百合
広重,豊国『当盛六花撰 百合花』,錦昇堂,安政1.国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1312176


芙蓉


「当盛六花撰 芙蓉」では、芙蓉の花が、役者の美しさを引き立てています。 芙蓉は、その華やかさと儚さで、中国や日本の文人たちに愛されてきました。

  • 花形役者: 二代目片岡我童

  • 中級役者: 二代目大谷徳次

  • 特徴: 片岡我童が手紙を読んでいる姿が描かれています。


当盛六花撰 芙蓉
広重,豊国『当盛六花選 芙蓉』,ゑひすや,安政1. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1311162





参考







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