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儒教の経典『詩経』に出てくる動植物の名の理解するため、本草学を学んだ:怡顔斎(松岡恕庵)

怡顔斎は、江戸時代中期の儒学者・本草学者である松岡恕庵(1668~1746年)の号です。


松岡恕庵は、京都で町医者を営むかたわら、儒学や本草学を研究し、多くの著書を残しました。 彼の代表作には、薬用植物について解説した『用薬須知』、飢饉の際の救荒植物について記した『救荒本草』、サツマイモの効用を説いた『蕃藷録』などがあります。

また、恕庵は怡顔斎シリーズと呼ばれる、動植物を品目別に解説した図譜を著したことでも知られています。 このシリーズには、『怡顔斎桜品』、『怡顔斎竹品』、『怡顔斎梅品』、『怡顔斎蘭品』などがあり、美しい図と詳細な解説で、当時の人々に広く親しまれました。

特に『怡顔斎桜品』は、桜の品種を69種も収録しており、花や葉の特徴、開花時期などが詳しく記されています。 多くの図譜が出版された江戸時代においても、その質の高さから高く評価されています。

恕庵の門下からは、小野蘭山(おの らんざん)など、多くの優れた本草学者が輩出しました。 蘭山は、師である恕庵の『怡顔斎蘭品』の図を描き、後に自身でも多くの本草書を著しています。






怡顔斎桜品


松岡玄達 撰 ほか『怡顔齋櫻品』,安藤八左衞門 [ほか1名],宝暦8 [1758]. 国立国会図書館デジタルコレクションhttps://dl.ndl.go.jp/pid/2536945








怡顔斎梅品

巻之上


松岡玄達『怡顔斎梅品 2巻』,河内屋喜兵衛[ほか4名],宝暦10 [1760]. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2607870





巻之下