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伊豆の早春を彩る河津桜



河津桜と河津川
河津桜と河津川

日本の春の風物詩といえば、桜。その中でも一足早く開花し、鮮やかなピンク色の花を咲かせる河津桜は、近年人気が高まっています。本稿では、河津桜の起源や歴史、特徴、名所、保全活動など、多岐にわたる情報をご紹介します。




河津桜とは


河津桜は、静岡県賀茂郡河津町で発見された早咲きの桜です。ソメイヨシノよりも花が大きく、濃いピンク色をしているため、開花期には多くの人々を魅了します。1月下旬から咲き始め、約1ヶ月かけて満開になるのも大きな特徴です。この開花期間の長さは、他の多くの桜と比べて際立っており、河津桜ならではの魅力と言えるでしょう。   


河津桜


起源と歴史


河津桜は、寒緋桜と早咲き大島桜の自然交配種と考えられています。1955年頃、河津町の飯田勝美氏が河津川の河原で芽吹いていた苗木を偶然発見し、自宅の庭に植えたのが始まりです。その後、1965年に開花が確認され、その早さと開花期間の長さから注目を集めました。1974年に「河津桜」と命名され、翌年には河津町の木に指定されました。   



開花時期と特徴


河津桜の開花時期は、例年2月初旬から3月初旬です。満開の期間は約1週間から10日間ですが、5~6分咲きでも十分に楽しめます。開花当初は濃いピンク色ですが、満開時にはピンク色になり、散るにつれて色が薄くなっていくのも特徴です。花びらは5枚で、やや下向きに咲きます。また、によると、花は大きく、濃いピンク色であることも特徴です。   


河津桜は、約1ヶ月もの間咲き続けるという、他の桜にはない特徴を持っています。ソメイヨシノなど、多くの桜は開花期間が2週間程度であるのに対し、河津桜ははるかに長く花を楽しむことができます。   

   


河津桜


河津桜の名所とイベント


河津桜の名所として最も有名なのは、河津町にある河津川沿いの桜並木です。約850本の河津桜が約4kmにわたって咲き誇り、毎年2月1日から2月28日にかけて「河津桜まつり」が開催されます。夜にはライトアップも行われ、幻想的な雰囲気を楽しむことができます。   


場所

詳細

アクセス

河津川沿桜並木

静岡県賀茂郡河津町。約850本の河津桜が約4kmにわたって咲き誇る。夜にはライトアップも行われる。

電車:伊豆急行線「河津駅」から徒歩すぐ

下賀茂温泉

静岡県賀茂郡南伊豆町。河津桜並木と並ぶ人気スポット。温泉街の散策と合わせて楽しめる。

電車:伊豆急行線「下賀茂駅」から徒歩約10分

弥生神社

静岡県賀茂郡松崎町。樹齢100年を超える河津桜の古木がある。

電車:伊豆急行線「松崎駅」から徒歩約15分

   

「河津桜まつり」は、1991年に始まり、2000年代前半には年間120万人の来場者を誇るほどの人気イベントに成長しました。河津町に多くの観光客を呼び込み、地域経済の活性化にも大きく貢献しています。近年では、若い女性を中心にSNS映えするスポットとしても人気が高まっています。   



夜叉堂の河津桜伝説

によると、早咲きの河津桜が植えられている夜叉堂には、河津桜にまつわる伝説があります。3月上旬には、約20本の河津桜が見頃を迎えます。   



他の桜との違いと類似品種


河津桜は、ソメイヨシノに比べて開花時期が1ヶ月以上早く、見頃期間も長いのが特徴です。また、花の色が濃いピンク色であることも大きな違いです。遺伝子的には、ソメイヨシノは同一の遺伝子を持つクローンであるのに対し、河津桜は異なる遺伝子を持つ実生です。   


河津桜の類似品種としては、寒緋桜と大島桜が挙げられます。これらの桜は、河津桜の親品種と考えられています。   


左 寒緋桜  右 大島桜



保全活動と未来


河津桜の保全活動は、地域住民各団体と町が連携して行われています。桜の管理のための調査、剪定、河津桜まつりの際の運営委員会への参加など、様々な取り組みが行われています。また、町では「河津桜守人制度」を創設し、河津桜の保全活動の担い手を育成し、次世代に継承することを目指しています。   


河津町の「河津桜まちづくり計画」では、桜並木の整備、景観形成、まちなかの活性化など、河津桜を活かしたまちづくりを進める方針が示されています。河津桜は、今後も地域の人々に愛され、大切に守られていくことでしょう。   



まとめ


河津桜は、日本の早春を告げる桜として、多くの人々に愛されています。その美しい花と長い開花期間は、春の訪れを感じさせてくれます。河津町を訪れて、河津桜の絶景を堪能し、一足早い春を感じてみてはいかがでしょうか。河津桜の保全活動は、この美しい桜を未来に残すための重要な取り組みです。


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