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植物は、古くから人々の生活と密接に結びつき、豊かな文化を育んできました。ここでは、その歴史を彩る様々な資料や情報源などを紹介します。古典籍資料は、国立国会図書館デジタルコレクションなどを利用しています。内容は、順次更新します。

万葉植物

万葉植物

 

万葉集は、日本最古の歌集であり、そこに詠まれた植物たちは、当時の自然環境や人々の暮らし、感情を現代に伝えてくれる貴重な存在です。

万葉集に登場する植物の正確な数量については、研究者によって多少の差異がありますが、一般的には約160種と言われています。

これらの植物は、花や木、草など多岐にわたり、歌の中で様々な形で表現されています。中には、当時の生活に密着していた植物や、象徴的な意味を持つ植物なども含まれており、万葉集を通して当時の自然観や文化を垣間見ることができます。

庶物類纂図翼

庶物類纂図翼 

「庶物類纂図翼(しょぶつるいさんずよく)」は、江戸幕府の命により、幕臣(旗本)の戸田要人(祐之)が安永8年(1779年)に描いた薬草類の写生画集です。約530枚の細密な図が鮮やかな彩色で描かれており、日本博物学史上画期的業績である一大本草書「庶物類纂」の参考図録として幕府に献上されて、有用であるとの評価を受け、「庶物類纂図翼」の書名を与えられ、紅葉山文庫に収蔵されました。平成8年(1996年)に「庶物類纂」とともに国の重要文化財に指定されています。

毛利梅園

毛利梅園

毛利梅園(もうり ばいえん、1798年 - 1851年)は、江戸時代後期の旗本であり、優れた本草学者、博物学者として知られています。諱は元寿。

その優れた観察眼と描写力で、江戸時代の本草学に大きな足跡を残しました。彼の作品は、単なる記録にとどまらず、芸術作品としても高い価値を認められています。また、彼の自然に対する真摯な姿勢と探究心は、現代の私たちにも多くの示唆を与えてくれます。

草木花実写真図譜

草木花実写真図譜

草木花実写真図譜は、江戸時代後期に長崎で活躍した画家、川原慶賀によって描かれた植物図譜です。彼の父である川原盧谷が校訂を担当し、初版は天保7年(1836年)に『慶賀写真草』として刊行されました。その後、『草木花実写真図譜』と改題され、明治初期に再版されました。

全2巻4冊からなり、上巻には主に草花、下巻には主に樹木が描かれています。西洋画の技法を取り入れた精密で美しい植物画でありながら、植物学的な正確さも兼ね備えているのが特徴です。花、葉、果実、種子など、植物の様々な部位が丁寧に観察され、写実的な描写と鮮やかな色彩で表現されています。

 

『日本植物誌』(Flora Japonica)は、江戸時代末期に来日したドイツ人医師・博物学者、フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトが編纂した、日本の植物を網羅的に紹介する学術書です。

シーボルトは日本滞在中に多くの植物標本を収集し、帰国後、植物学者ヨーゼフ・ゲアハルト・ツッカリーニと共にこの大著を完成させました。1835年から1870年にかけて、全2巻20分冊として刊行されました。

本書は、日本の植物相を西洋に紹介する上で極めて重要な役割を果たしました。詳細な植物の記載に加え、川原慶賀をはじめとする日本人絵師による美しい植物画が多数収録されており、学術的価値だけでなく、美術的価値も非常に高い作品です。

『日本植物誌』“Flora Japonica”

植物種の分布図

植物社会学的調査法による植生調査区(ルルベ)のデータベース、通称PRDBは、日本全国で実施された植生調査のデータを収集・蓄積した貴重な情報源です。

森林総合研究所によって管理・運営されており、研究者や環境保全活動に従事する人々にとって欠かせないツールとなっています。また、このデータベースに基づいて作成された植物分布図も公開されており、一般の人々も手軽に植物の分布情報にアクセスすることができます。

竹の画像

史跡名勝天然記念物

史跡名勝天然記念物とは、日本の文化財保護法に基づいて、国(文部科学大臣)が指定する文化財の総称です。

指定された史跡名勝天然記念物は、その重要度に応じて、さらに「特別史跡」「特別名勝」「特別天然記念物」に区分されます。これらの特別指定を受けた文化財は、特に重要な価値を持つと認められたものであり、より厳格な保護措置が講じられます。

本の豊かな自然と歴史、文化を象徴する貴重な財産です。私たちは、これらの文化財を大切に守り、後世に伝えていく責任があります。

Image by Ningyu He

植物園/植物関連施設

植物園や植物関連施設は、植物の収集、保全、研究、展示、教育を目的とした施設です。これらの施設は、多様な植物に触れ、学ぶ機会を提供し、自然環境への理解を深める上で重要な役割を果たしています。

近年、植物園や植物関連施設は、生物多様性の保全や環境教育の拠点としての役割も担っています。絶滅危惧種の保全や、外来種の駆除など、積極的に環境保全活動に取り組んでいます。また、子供たちや一般市民に向けて、自然環境の大切さや植物の役割について学ぶ機会を提供しています。

植物園や植物関連施設は、自然と触れ合い、植物について学ぶことができる貴重な場所です。訪れることで、植物の美しさや多様性、そして自然環境の大切さを再認識することができます。

植物園/植物関連施設
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