ハギ
梔・芽・芽子・波義・波疑
ヤマハギ・山萩
マメ科ハギ属
Lespedeza bicolor

巻1-13 / 香具山は畝傍ををしと耳成と相あらそひき神代よりかくにあるらし古も然にあれこそうつせみも妻をあらそふらしき / 天智天皇
巻1-14 / 香具山と耳成山とあひし時立ちて見に来し印南国原 / 天智天皇
巻2-221 / 妻もあらば摘みて食げまし沙弥の山野の上のうはぎ過ぎにけらずや / 柿本朝臣人麻呂
巻2-231 / 高円の野辺の秋萩いたづらに咲きか散るらむ見る人無しに / 笠朝臣金村歌集
巻2-233 / 高円の野辺の秋萩な散りそね君が形見に見つつ思はむ / 笠朝臣金村歌集
巻15-3656 / 秋萩ににほへる我が裳濡れぬとも君がみ船の綱し取りてば / 阿倍朝臣継麻呂
巻15-3677 / 秋の野をにほはす萩は咲けれども見る験なし旅にしあれば / 作者未詳
巻15-3681 / 帰り来て見むと思ひし我がやどの秋萩すすき散りにけむかも / 秦田麻呂
巻15-3691 / 天地と共にもがもと思ひつつありけむものをはしけやし家を離れて波の上ゆなづさひ来にてあらたまの月日も来経ぬ雁がねも継ぎて来鳴けばたらちねの母も妻らも朝露に裳の裾ひづち夕霧に衣手濡れて幸くしもあるらむごとく出で見つつ待つらむものを世の中の人の嘆きは相思はぬ君にあれやも秋萩の散らへる野辺の初尾花仮廬に葺きて雲離れ遠き国辺の露霜の寒き山辺に宿りせるらむ / 葛井連子老
巻19-4224 / 朝霧のたなびく田居に鳴く雁を留め得むかも我がやどの萩 / 光明皇后
巻19-4253 / 立ちて居て待てど待ちかね出でて来し君にここに逢ひかざしつる萩 / 大伴宿禰家持
巻20-4296 / 天雲に雁そ鳴くなる高円の萩の下葉はもみちあへむかも / 中臣朝臣清麻呂
巻20-4297 / をみなへし秋萩しのぎさ雄鹿の露別け鳴かむ高円の野そ / 大伴宿禰家持
巻20-4315 / 宮人の袖付け衣秋萩ににほひ宜しき高円の宮 / 大伴宿禰家持
巻20-4318 / 秋の野に露負へる萩を手折らずてあたら盛りを過ぐしてむとか / 大伴宿禰家持
巻20-4320 / ますらをの呼び立てしかばさ雄鹿の胸別け行かむ秋野萩原 / 大伴宿禰家持
巻20-4444 / 我が背子がやどなる萩の花咲かむ秋の夕は我を偲はせ / 大原真人今城
巻20-4515 / 秋風の末吹きなびく萩の花共にかざさず相か別れむ / 大伴宿禰家持



